歩行トレーニングに役立つ使い方
![高齢者デイサービスや病院のリハビリ室で使用した、理学療法士の方々からのご評価です](img/image595.png)
- あるくんボードのリハビリトレーニング
- 全トレーニングの共通事項
- トレーニングを始める足腰レベル
- 無理なく効果的に行うための準備
- リハビリから理想の歩行までのメニュー
- 1、足首ふくらはぎ解し
- 2、足裏の感覚強化トレーニング
- 3、脚関節伸展トレーニング
- 4、全身ストレッチ
- 5、骨盤矯正トレーニング
- 6、筋肉バランス改善トレーニング
- 7、脚長差改善トレーニング
- 8、足首・脚の歪み矯正トレーニング
- 9、歩行時の体幹維持トレーニング
- 10、脚関節の連動トレーニング
- 11、体軸トレーニング
あるくんボードの歩行トレーニング
全トレーニングの共通事項
運動回数、時間
回数3回~5回 または 左右1分/前後各1分
筋トレ運動
ボードの傾斜に立ち静止し姿勢を起こして3~5秒キープ
止めるタイミング
・足や膝が震え出したら
・姿勢が崩れやすくなったら
トレーニングを始める足腰レベル
トレーニング1~3
手すりがあれば立位が取れる~
トレーニング4~6
抵抗感なく足の踏ん張る感覚があり、膝までの力強さがある状態
トレーニング6~11
下半身が安定して、上半身も意識する余裕がある状態
![姿勢矯正と歩き方矯正トレーニングで、高齢者の歩行訓練や子供から大人の理想の歩行姿勢づくりまで使えます](img/image596.png)
無理なく効果的に行うための準備
表面の筋肉を筋膜リリース・ストレッチ
ストレッチポールー筋肉の流れに沿って全体的に
マッサージボールー関節周辺・腱の細かな部分に
深部の筋肉を筋膜リリース・ストレッチ
腰や膝、股関節、腿裏など、緩めたい部分の下にバスタオルを丸めていれ、30秒から1分リラックスして寝転んでもらいます。
無理をさせることなく、自重で深部まで解すことが可能です。
体が硬いと、リラックスが難しいので、厚みを変え段階的にリラックスしてもらいます。
![筋膜リリースやストレッチで準備運動すると、歩行リハビリ、歩行トレーニングが効果的になる](img/image602.png)
リハビリから理想の歩行までのメニュー
1、足首ふくらはぎ解し
対象者の身体レベル・課題
要介護・脚力低下
必要な設定とサポート
手すり前(左右・前後)
傾斜の調整・傾斜を作る
注意するポイント
・運動前に、ストレッチポールで軽く筋肉を解し受け入れやすくする
・運動中に、傾斜させるタイミングを声掛けし、サポート側と利用者の運動を合わせる
![手すりを持って立位が取れれば、足首やふくらはぎの筋肉を解すことが可能なトレーニング器具](img/image593.png)
![硬化した足首を解して、アキレス腱ふくらはぎのを伸縮運動が可能にするバランスボード](img/image600.png)
足首に角度を付けることで、膝までの筋肉を伸縮させます。ボードが傾斜するのに、抵抗感なく立てるように慣らしていきます。
2、足裏の感覚強化トレーニング
対象者の身体レベル・課題
要介護・脚力低下
必要な設定とサポート
手すり前(左右・前後)
傾斜の調整・傾斜を作る
注意するポイント
・足幅を、少しずつ広げて筋肉の可動域を広げていく
・運動中に、傾斜させるタイミングを声掛けし、サポート側と利用者の運動を合わせる
![足裏で踏ん張る感覚を繰り返し刺激して、立位や歩行の安定につなげる足腰を強化するトレーニング器具](img/image599.png)
![高齢者の歩行リハビリや歩行能力向上のトレーニングに使える、歩く力を鍛える運動器具](img/image598.png)
足幅を広げた状態で、足裏側方、つま先側、踵側に、少しづつ体重を乗せて踏ん張る感覚を入れていきます。
3、脚関節伸展トレーニング
対象者の身体レベル・課題
前傾歩行・脚関節屈曲の改善・骨盤の前傾、後傾
必要な設定とサポート
手すり前 または 両サイド(左右・前後)
傾斜の調整・体重移動
注意するポイント
・運動前に、足首、膝裏、股関節の筋膜リリース・ストレッチで受け入れやすく準備
・徐々に、足先、踵の向き正しくできるように
脚関節を伸ばすのに合わせて、上半身を起こしてボードの傾斜にポーズをとることで、脚全体の柔軟性と筋力アップを広範囲に行うことができます。
4、全身ストレッチ
対象者の身体レベル・課題
骨盤の前傾、後傾・猫背・円背・側弯症
必要な設定とサポート
手すり左右、前・前後両サイド
傾斜の調整・体重移動・骨盤位置
注意するポイント
・全身が綺麗なカタチでスムーズに動くようにの筋膜を連動させて解す
・難しい時は、準備運動の工夫が必要
足から頭の先までを、大きくたわませることで、全身の筋肉のつながりで解して、姿勢矯正や筋肉バランスを整えやすくします。
5、骨盤矯正トレーニング
対象者の身体レベル・課題
骨盤の前傾、後傾・猫背・円背・側弯症・股関節の可動域
必要な設定とサポート
手すり左右、両前・前後、前
傾斜の調整・体重移動・骨盤位置
注意するポイント
・運動前に、縮んだ箇所の筋肉をストレッチし、全身で調整
・運動中は、踏ん張る、膝を伸ばす意識付けで足からストレッチを促す
・左右の運動では、片足に体重がのせれるように
・前後の運動では、対角に足幅を開いて運動できるように
手すりを使って骨盤を持ち上げることで、脚を真っ直ぐ伸ばして立つ、腰椎が起きて働く、腹筋と殿筋で支えて骨盤位置を保つなど、姿勢悪化で忘れている筋肉の感覚が入ります。手すりの補助を減らしいけば、骨盤矯正できます。
6、筋肉バランス改善トレーニング
対象者の身体レベル・課題
姿勢矯正、歩き方矯正、姿勢の非対称改善、屈曲弯曲の改善
必要な設定とサポート
手すり左右、両前・前後、両左右
傾斜の調整・体重移動・骨盤位置
注意するポイント
・運動前に、全身の縮んだ筋肉をストレッチ
・姿勢と筋力の課題に合わせて、準備運動のストレッチの工夫、強化する順番、強化に必要な期間など対象者に合わせる考えることが必要
左右と前後の運動で、踏み込んで静止したポーズを綺麗にすることで、全身の筋肉バランスが整っていきます。
手すりを持ってポーズをとれることから始めて、手すりを頼らないでできるようにレベルアップしていきます。
7、脚長差改善トレーニング
対象者の身体レベル・課題
骨盤の歪み・側弯症
必要な設定とサポート
筋肉バランス改善トレーニングの非対称チェック
傾斜の調整・体重移動・骨盤位置
注意するポイント
・運動前に、上半身の歪みを整えてから行う【側弯症-背骨の整え方】
・運動前に、日常で支えるために使う太くなった脚の腱の部分を(下図)、解してから行う
・運動中に、足位置、向き・手すりをつかむ位置・骨盤向きの課題をチェックし、運動のフォームの修正や、準備運動の内容に反映させる
![歩行トレーニングを効果的に行うためには、脚長差改善で体の土台となる下半身の安定が必要である](img/image611.png)
脚長差がある時は、側弯症などの上半身の歪みが考えられるため、上半身を整える運動が重要です。上半身を整える運動をして【6.筋肉バランス改善トレーニング】と同様に、カタチが対称にできるようにトレーニングします。
脚長差が大きい時は、普段、支える側の太い方の脚全体を、筋肉の流れに沿ってと、関節周辺の腱(上図)を、ぐるりと軽く解しておきます。解して準備すると、脚長差改善がスムーズです。
8、足首・脚の歪み矯正トレーニング
対象者の身体レベル・課題
O脚・X脚・側弯症の非対称の足首
必要な設定とサポート
手すり前、左右のみ
傾斜の調整・骨盤の引上げ
注意するポイント
・両手で手すりを持つこと、正しく前で持つこと
・脚のラインの確認と意識付け(力を入れる順番を踵側足裏→膝→腹筋で声掛け等などが必要)
ボードの傾斜に足首足裏で踏ん張って、体は床に垂直方向保ちます。足側方で踏ん張り中心に重心を戻し、膝を伸ばし、お尻を引き上げると脚の筋肉が全体のつながりで真っ直ぐ持ち上がります。
9、歩行時の体幹維持トレーニング
対象者の身体レベル・課題
歩行姿勢改善
必要な設定とサポート
手すり左右、両前・前後、両左右
傾斜の調整・骨盤の固定
注意するポイント
・体幹強化と並行して行う
・動き出す時も骨盤がブレないか
骨盤前傾や後傾の習慣は、立位より、動き出す動作に入る瞬間に現れやすいです。骨盤がブレると連動して、足を不安定にします。骨盤の安定は、足腰を安定させて歩行の自信につながります。
10、脚関節の連動トレーニング
対象者の身体レベル・課題
歩行時の脚関節の使い方、踏み込み、蹴り出し
必要な設定とサポート
手すり左右、両前・前後、両左右
イメージやタイミングの指導
注意するポイント
・反り腰ー脚関節のクッション機能回復
・屈曲ー脚関節伸展、タイミングの書換
姿勢の悪化や歩行力の低下で、習慣になった間違った脚関節の使い方を、自然で理想的な連動運動になるようトレーニングします。
11、体軸トレーニング
対象者の身体レベル・課題
理想的な歩行
必要な設定とサポート
必要に合わせて手すり
イメージやタイミングの指導
注意するポイント
・筋肉の使い方の不自然な箇所を見つけ、準備運動に反映
・体の中心で楽に立てて肩はリラックスできるように
・視線を前に向け、体幹がブレることなく腰から下だけでスムーズに体重移動できるようになると完成
ボードに足裏が馴染んで、筋肉の感覚を上につなげて意識できるようになると、足から脳天までのつながりが意識できるように変わってきます。ポーズを綺麗に作れるようになると、体の深部では筋肉を緊張して使っているのに、表面的には無駄な力みがなく、肩がリラックスしてポーズをとれるようになります。